夜間のための「こども救急への対応」

 

         

 

■発熱への対応


●何度以上が病的な熱?

子どもは大人に比べ平熱はやや高めです。また最近使われるデジタル体温計は、水銀系に比べて高めに出る傾向があります。
日本外来小児科学会で調査したデジタル体温計での小児の標準的な正常体温は次の通りです。

乳児(1歳以下)36.3〜37.4℃

幼児(1〜6歳)36.5〜37.4℃

学童(7歳以上)36.5〜37.4℃

勿論個人差もありますので、すべてのお子さんに当てはまるものではありません。健康時でも朝に比べて夕方は体温が高めになります(生理的日内変動)

また、測り方や気温によっても変わることがあります。健康時に体温も把握しておいてください。また触っても熱くないのに体温計で高めに出る場合は、もう一度計りなおしてください。

●発熱に対する考え方

発熱自体は体の免疫反応(バイ菌の勢いを弱めるための防御反応)によって生じる症状でるので、高くても心配はなく、あわてて下げる必要はありません。
体温は夕方より上がってくることが多いですが、これは夜間には体の活動性が少なくなる為に免疫力が高まる為です。
逆に朝に熱が一時的に下がるのは、体を活動させる為にエネルギーが使われ、むしろバイ菌に対する攻撃力が弱まる為で、病気が良くなったと錯覚しないように注意してください。

また、熱がなくても重たくなる病気もありますので、熱が無いから心配しないという考え方も危険です。

●休日・夜間の発熱への対応

原則的に夜間熱が上がっても、それ以外に強い症状が無い場合は救急で受診する必要はありません。
まずは自宅で安静にして、熱の動きや熱以外の症状を観察することが大切です。

 

救急で受診すべき状態
・高熱にともない痙攣が10分以上止まらない
・痙攣後意識が戻らない
・意識が明瞭でない
(ぼーっとして目の焦点がはっきりしない。呼びかけても直ぐに眠り込んでしまう。乳児はミルクを飲まず、泣き声が弱々しい)
・顔色が非常に悪い

医療機関の受診が望ましい状態(救急病院へ問い合わせをする)
・繰り返し吐いて顔色が悪い
・生後3ヶ月未満の乳児(他に症状が無くても、医療機関に電話で相談された方が良いと思います)
・咳がひどくて眠れない
・呼吸がゼイゼイして苦しそう
・痙攣が1〜2分で治ったが、痙攣予防の座薬が無い。

家で安静にして様子を見て良い状態
・38℃以上でも熱以外に強い症状が無い
・顔色が良く、食事もまあまあ食べている
・呼吸状態や意識状態に問題がない

 

■ゼーゼー(喘鳴)への対応


喘鳴とは吸気、呼気に伴う「ヒューヒュ」「ゼーゼー」といった呼吸の音です。息を吸うときのいびきの様な音は鼻やのどの狭窄、息を吐く時の音は気管支の狭窄を考えます。
吸うときに聞こえるか吐くときに聞こえるか観察してください。

喘鳴が聞こえる病気としては、気管支炎や喘息が疑われますが、ピーナッツの気管支内誤嚥など危険な病気もあり、十分な注意が必要となる症状です。

 

緊急で受診すべき状態
・苦しくて全く横になれない。会話が出来ない
・顔色が非常に悪い
・意識がおかしい

医療機関を受診すべき状態
・苦しそうで眠れない
・だんだんゼーゼーが強くなる
・顔色が悪い
・咳もなく突然にゼーゼーが始まった

家で様子をみて良い状態
・喘息の薬を飲んだら治った
・ゼーゼーしているが良く眠っている

 

■けいれんへの対応


子どもの痙攣で最も多いのは熱性けいれんです。
熱性けいれんは38.5℃以上の発熱に伴い、突然眼が開きっぱなしになり、眼球が動かなくなります。
それに続き手足が固く硬直し、時に唇が紫色となります。
呼びかけても反応せず意識のない状態となります。眼の状態と持続時間が重要となりますので、落ち着いて状態を観察してください。

熱性けいれんなら、何もしなくても2〜3分間で治りますので、あわてずに対応してください。たいてい刺激したり、口のなかに指や箸を入れたりするとけいれんが治り難くなります。

 

緊急で受診すべき状態
・けいれんが10分以上続いている。
・けいれんを1日2回以上繰り返す
・けいれん後、意識が戻らない。目の焦点が合わない。
・けいれんが治った後に、両側または一方の手足を全く動かさない。

医療機関受診が望ましい状態
・けいれんはすぐに治ったが家に予防の座薬が無い
・けいれん予防薬を使ってもけいれんを起こした
・熱がなくてけいれんを起こした
・けいれんの治った後、嘔吐を繰り返す

家で様子を見て良い状態
・以前にも熱性けいれんを起こしたことがあり、けいれんもすぐに治り、意識もすぐに戻った
・家に抗けいれん剤の座薬があり、けいれん後挿入した

※熱が高い場合は電話で医療機関に相談されてください。
当院、受付にて「こどもの救急対応」小冊子がご購入できます。恐縮ですが印刷代として100円のご負担お願いします。


 

なお夜間救急対応が必要な場合は下記システムをご利用ください。

①埼玉県小児救急電話相談(#8000事業)

休日・夜間に小児の病気に対して看護師が対応してくださいます。
TEL:#8000を押してください
月〜土曜日:19時〜23時
日曜・祝日:9時〜23時

 

②埼玉県救急医療情報センター

すべての診療科に対して、住居地に最も近い救急対応可能な医療機関を教えてくださいます。
TEL:048-824-4199